FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

2018/10
<<09  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  11>>
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
続・みらいのはなし 13(終)
おわりましたよーっと。
チープな三文小説みたいな展開&最後。
はぁ、こんなのは私には向いてないなーと思いながらも書き上げました。

シリアス傾向のあるお話ですので、無理無理~な方はスルーでお願いいたします。
大丈夫な方はどうぞ。
初めましてな方は、カテゴリ「未来」からどうぞ。
みらい~→続・みらい~となります。





琴子は無事、退院の日を迎えた。
直樹は仕事を抜けることができなかったが、琴美は幼稚園を休んで紀子と二人で病室まで迎えに来た。

「ママ!たいいん、おめでとう!」

病室のドアを開け、琴美が勢い良く飛び込んできた。
琴子も両手を開いて、琴美を受け止める。
そのまま琴美をぎゅっと抱きしめると、くすぐったかったのか琴美は腕の中から逃れようともがいた。

「琴子ちゃん、おめでとう!」

力をこめて琴美を逃さないように腕の中に抱えていると、紀子が後ろから入ってきた。
紀子が以前から気合を入れて準備をしていたのだろう、横断幕まで用意されている。
片方の端は紀子が持っているのだが、もう片方を持っているのは幹だった。

「うわあ、素敵な横断幕!」

横断幕には”祝☆琴子ちゃん退院”と大きく書かれている。
お祝い事があるたびに横断幕を作るのは、紀子のお約束だ。
最近は自分の入院もあってがあまり出来なかったのだから、張り切ったのだろう。
琴子は紀子の心遣いが嬉しかった。

「そうよー、今回は女三人の合作なの!」

幹はそう言うと、琴美と紀子に視線を送る。

「女三人じゃないでしょうよ…」

ぼそりと呟きつつ、琴子は感謝していた。
幹は紀子や琴美が琴子のところを訪れたとき、気軽に声を掛けてくれていた。
その明るさに何度元気付けられただろう。

「お義母さん、琴美、モトちゃん…本当にありがとう」

荷物をまとめ、久々に外出義に着替えた琴子は三人に頭を下げた。
紀子は涙ぐみ、琴美は琴子の足元にぎゅっと抱きつく。

「…良かった、本当に良かった…」

幸せそうな三人の様子を遠巻きに見て、幹は涙ぐんだのだった…。

*****

久しぶりのにぎやかな夕飯を済ませ、琴美とともにお風呂から上がった頃、直樹は帰ってきた。
直樹の上着を受け取り、軽くほこりを取ったりクローゼットにしまったり。
洗濯物をきちんとたたんだり、ベッドの上にパジャマを用意しておいたり…。
数ヶ月ぶりにできる、そんな些細なことが琴子には嬉しかった。

「お前が入院している間、長かったな」

直樹もお風呂から上がり、家族は3人でベッドに腰を掛ける。
病室のベッドとは異なる、クイーンサイズのベッド。
家族三人で腰を掛けていても余裕があるが、三人はぴたりと寄り添って座った。

「うん…、ごめんね」

「辛かった…」

直樹の気持ちが痛いほど良くわかって、琴子は何も言うことができない。
二人の間にしばらく沈黙が流れた。

「みーちゃんも、ごめんね」

そう言うと琴子は、ぎゅっと琴美を抱きしめた。
真ん中にいた琴美は、両親の間に流れる微妙な空気に気づいたのかただ黙っている。

「俺…、頑張っていこうって思ったよ」

「え?」

直樹の話の本旨がわからず、琴子は首をかしげた。
琴子の隣にいる琴美が同じようにして首をかしげているのが可愛らしくて、直樹は微笑む。

「何、笑っちゃって」

「いつかお前も言ってたけど、俺達は恋人期間がないまま結婚しちゃったんだよな」

「う、うんまぁね」

直樹はもしかして、結婚したのが早かったとか言い出すのではないだろうか。
いまさらそんなこと言われても…、と琴子は少し身構えた。

「学生結婚だったし、長い間二人きりだったし…しばらくは恋人気分だったんだ」

琴子も同感だった。
夫婦という実感を抱いたのは、入江と名乗るときぐらい。
直樹の存在は家族というよりも、誰よりも愛しい恋人という感情のほうが強かったのかもしれない。

「琴美が生まれて、少しずつは家族らしくなってきたとは考えていたんだけど」

そう言うと、直樹は隣に座っている琴美の頭をゆっくりと撫でた。
琴美は父親の大きな手の優しげな手つきが嬉しかったのか、甘えるように直樹の膝へ自分の頭をごろりと乗せた。

「今回のことで家族で一緒に頑張れば、それは大きな力になるって事がわかったよ」

直樹はそう言うと、大きく息を吐いた。
自分の吐いた息とともにずっと背負っていた大きな荷物が、少しずつ軽くなっていくような気がした。

「これからもいろんな問題がおきるだろうけれど…、でも、家族で頑張っていこう」

「うん」

直樹の言葉に、琴子は力強くうなづいた。

「みーちゃんも!」

いつの間にか琴美は直樹の膝の上によじ登り、笑顔で二人の顔を見上げている。
数年前にやってきた小さな命は、今や二人にとって大きな支えになっていた。

「よーし!じゃあ円陣組もうか!」

「エンジン??」

「はあ?」

突然の琴子の提案は、親子二人にはすぐには受け入れられなかった。
しかし、こんなことでくじけてしまうような琴子ではない。

「いいじゃない、ほら、肩組んで~」

琴子に強引に言われるがまま、三人は肩を組んだ。

「入江くん、何か言って」

「俺かよ」

琴子の提案に未だ眉間にしわを寄せたままの直樹。

「みーちゃんが言う!」

二人の間をとりなすように、琴美が言った。
琴美の手に力がこめられたことを直樹と琴子は背中越しに感じる。
彼女なりに、家族を盛り立てようと一生懸命なのだ。

「こういうときはなんていうのか知ってる?」

「うん!」

琴子の問いに元気良くうなづく。

「入江家ー!ふぁいいっと!」

「「「おーっ!!!」」」

三人の声はぴたりと重なり合った。
そして、ようやく落ち着くと親子三人はベッドに潜り込んだ。
最近は自分の部屋で眠る事が多い琴美も、今日ばかりは両親の間で眠る。

「おやすみなさい、また明日」

三人はお互いにそう挨拶をして、ようやく数ヶ月ぶりの穏やかな眠りに入っていったのだった。


END
Secret
(非公開コメント受付中)

プロフィール

わさこ

Author:わさこ
はじめまして!こんにちは!
こちらはイタズラなkiss中心の 二次創作ブログです。
ごゆっくりどうぞ。

何かある方は、メールアドレス
starlight_wasako☆yahoo.co.jp まで。

☆を@に変換してお使いくださいね!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
ひとこと
FC2カウンター
たったいま
現在の閲覧者数:
FC2カウンター
いつもありがとうございます
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
FC2チャット
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。