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やさしいキスをして 5
そんなわけで、お題更新です。
多くの方が、待ってるよ!って温かく声を掛けてくださいました。
感謝感謝で、更新いたします。

この二次創作は、二人っきりで新婚さんがテーマです。
大丈夫な方のみどうぞ。






「おか…さんかと…おもって」

のどから搾り出すようにして出した言葉に、琴子は自分でも驚いた。
ありがとう、とか、うつるよ、とか、ごめん、とか。
寝ている間にうつらうつらしながら考えた、帰って来たら言おうとしていた言葉とは違う。
それでも目の前にいる直樹は、困った顔一つしない。

「そうか」

静かに呟くように言って、琴子の頬をまた撫でた。
小さい頃から熱を出した時は、夢見が悪い。
結婚が決まって直ぐの頃、重雄は直樹に言った。
熱を出して寝込んだ夜は決まって母親の名前を呼ぶんだと、自分は黙って母親の代わりになってやっていたのだと、そう言った重雄の横顔がひどく寂しげだったのは、悦子のいない寂しさからなのかそれとも琴子の結婚が近かったからだったのか。

「ごめ…、泣くなんて」

力なく言ったその言葉に、直樹は首を横に振った。

「大丈夫だ、ただの風邪だろ」

そう言いながら、直樹は本日2枚目の冷却シートを取り出した。
額に張ってやると、琴子は漸く落ち着いたのかほうっとため息をついた。
熱と眠気でぼんやりしていた表情も、しっかりとしてきたようだ。

「優しいね」

にこりと満足げに笑ってそんなことを言う。
熱が出たときぐらいという思いと、普段はそんなに冷たいのか、という思い。
どちらも飲み込んで、直樹はもう一度琴子の顔を覗き込んだ。

「何か食べられるか」

「ん、お義母さんのおかゆ」

「そういうだろうと思って、温めておいた」

ベッドサイドに膝を突いていた直樹は、琴子に背を向けて立ち上がる。
静かに寝室を出て行くその背中を、琴子は見つめた。
幸せだ、と思う。
こんなに優しい人が自分の旦那様だなんて、未だ信じられない。

「幸せ」

枕に頬を押し付けるようにして、琴子は呟いた。

*****

やがておかゆをお盆に載せて、直樹が寝室に入ってきた。
琴子は直樹を見るなり体を起こし、やおら口を開けた。

「自分で食べろよ」

「嫌よ」

きっぱりと断った琴子に、直樹は眉を顰めた。
だが琴子は直樹の表情などお構いなしに、言葉を紡ぐ。

「せっかく風邪なんだもん、満喫しないと」

にこりと笑いながら言ったその調子からすると、数時間前に熱で苦しんでいたことを思えば随分楽になったようだ。
素早い回復に驚きつつ、直樹は蓮華をてに持った。
今日は、彼女の言いなりになるのが一番。

「入江くん」

「何?」

空になった食器を片付けていると、琴子が声をかけた。

「熱が下がったら、何でもやってあげるね」

その可愛らしい発言に、直樹は片付けていた手を止めた。
いつものことではあるが、どうやら今回も下心はないらしい。
純粋に感謝を表すつもりで言っているのだろう。
でも、今の直樹にとってはそれは願ったりかなったりの発言だった。

「へえ?」

問いかけるようにして琴子の顔を覗き込むと、彼女は瞬時にその意味を理解したようだった。
真っ赤な顔をして俯いたままの耳元で、直樹はささやいた。

「奥様からのやさしいキスを希望します」

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(非公開コメント受付中)

プロフィール

わさこ

Author:わさこ
はじめまして!こんにちは!
こちらはイタズラなkiss中心の 二次創作ブログです。
ごゆっくりどうぞ。

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