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生徒には秘密 7
盛り上がりにかける~。
う~ん…。




石鹸を変える作業は好きだ。
一日に何度も使われることもあり、その減り方は意外と早い。
保健委員の生徒に頼むのも良いが、手洗い場の衛生管理もかねて時々自分でするようにしている。

「相原先生」

「はい」

「ちょっといいかしら?」

保健室に戻ろうとして、琴子を呼び止めた人物の声を聞いただけで、心臓がどきりと音を立てた。
勿論この場合、ひやっとする時のどきりである。

「清水教頭先生、何でしょうか」

清水教頭は、いつもきびきびとしている。
生徒のことを愛情深く見守っているに違いないが、反面、教師には厳しい。
恐る恐る声をかけた琴子に、保健室へ戻るように言った。

「保健室にはどうしていつも生徒が集まって、煩いのかしら」

椅子に座るなり、言われた言葉。
その意味が瞬時に理解することができず、琴子は返事ができないままでいた。
養護教諭である自分が悪いのだろうか。

「相原先生、あなたの注意が足りないからでしょ」

すいません、と小声で答える琴子。
でも生徒が全く集まらない保健室よりはいい、と思う。
少なくとも授業をさぼらないように注意してきたはずだ。

「とにかく、あなたはもっと教師としての自覚をもって」

教師としての自覚はある。
自覚はあるが、より身近になって生徒が保健室に入り浸っているのかもしれない。
保健室で生徒たちと笑い合っているのが、そんなに悪いのか。
琴子は心の中で疑問に思いつつ、2回目のすいませんを言おうとしたその時だった。

「お言葉ですが、清水教頭」

はっとして顔をあげると、いつの間にかドアが開いて直樹が立っている。

「入江先生」

口をぽかんとあけたままの琴子をちらりと見ると、直樹は口を開いた。

「生徒たちが保健室に来て、相原先生とどんな話をしているか知っていますか」

たまたま廊下を通りがかった直樹は、清水教頭との話の内容を聞いていた。
聞き耳を立てるつもりはなかったし、助けるつもりもなかったが、気付いたらドアを開けていた。

「進路指導や生活指導を、我々担任はどうしても指導中心になってしまうんです」

それは直樹の本音だった。

「教室にいる教師には言えない心の内を、相原先生には話しているんです」

生徒が悩みを相談できる場があることが、学校には必要だ。
教科を教える教師には言えないことが、生徒にもある。

「生徒にとっては、保健室は悩み相談の場でもあるんですよ」

アルコール消毒のにおいが充満した保健室を、琴子が生徒が居心地の良い場所に変化させていた。
壁に生徒がリラックスできるような啓示を貼り、デスクにはテーブルセンターを置いている。
教室とは一線を画した保健室の雰囲気が、教師の間でも賛否両論があることも直樹は知っていた。
直樹の言葉に清水教頭はため息をつくと、琴子のほうに向きなおした。

「誤解していたようね、とにかく、生徒とは程よい距離を持つように」

「はい、今後は教師としての自覚をもちます」

琴子は頭を下げる。

「いいですか、清水教頭。相原先生に頼みたいことがあるので」

直樹がそういうと、清水教頭は立ち上がり出て行った。

「入江先生、ありがとう」

「別に。お前もこれぐらい切り返せるようになれば」

「うん、本当だね。でも清水教頭先生が言うのも一理あるんだよ。まだまだ教師としては半人前だもん」

うふふ、と笑いかけた琴子に直樹は手を差し出した。

「ほら、これ」

「何?」

直樹から手渡されたUSBを受け取り、琴子は首を傾げた。

「この中の整理をしろってさ」

何だ、本当に助けてくれたわけではなかったのか、琴子はがっくりと肩を落とした。
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たまちさま
初めまして。コメントありがとうございます。うれしいです。堂郁もきゅんきゅんしますよね。イタキスとはまた違った面白さがあります。ちょっとずつマイペースに更新していきますが、ぼちぼちと来ていただければありがたいです。また遊びにいらしてくださいね!
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Author:わさこ
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こちらはイタズラなkiss中心の 二次創作ブログです。
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