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二人暮らし(入籍編) 10 (完結)


以下の二次創作は、入江家を出て二人暮らし。がテーマです。
大丈夫な方は、おすすみくださいませ。
初めての方は、カテゴリ「二人暮らし」からどうぞ。
読む順番は「二人ぐらし」→「二人暮らし(入籍編)」となります。






紀子から借りた着物を、教わったとおりにきちんとハンガーに掛けると、琴子はその場に立ったまましばらく眺めていた。
何がなんだかわからないまま袖を通した着物。
落ち着いてみてみると、柄も色も自分の好みにぴったりで、あれこれとチョイスしてくれた紀子に心の中で改めて感謝した。

「着物なんて成人式以来だから、嬉しかったな」

琴子がつぶやくと、いつの間にかそばに来ていた直樹に背後から抱きしめられた。
直樹が時折音もなくやってきて、こうやって自分を抱きしめてくれることに、琴子は未だ戸惑いを感じてしまう。
びくりと体を震わせると、直樹の腕には力が込められた。

「似合ってた」

「ええ?」

「この着物も良いけどさ、あの成人式の振袖はまぶしくて見られないぐらいお前に似合っていたよ」

直樹はそう言いながら、ほんの1年前の成人式のことを思い出していた。
あの頃は、この思いがこんなに早く叶うなんて思ってもみなかった。
ただ、琴子はずっと自分の隣にいるだろうと思い込んでいた。
辛く長い夏も、甘酸っぱい秋も、そしてこんなに甘い甘い冬が来ることも…。
想像もできなかった成人式の日。
1年前のことなのに、直樹には遠い遠い昔の出来事だったような気がした。

「どうしちゃったの、入江くん」

感傷的な空気を察したのか、琴子は振り返った。
心配気に、直樹の目を覗き込む。

「珠には素直になろうと思って」

本心を吐露すると、琴子は照れたように腕の中で体を捩らせた。

「あたしね、入江くん」

「うん?」

振り返り、自分をしっかりと見上げる琴子を、直樹は見つめ返した。
お互いの瞳の中にはお互いしか映っていない。
そんな至近距離に慣れない琴子は、視線をそらして再び着物のほうに目をやった。

「本当に嬉しかったんだよ、入江くん」

「ん?」

「お父さんにちゃんと挨拶をしてくれて嬉しかった」

男手ひとつで育ててくれた父親にきちんと挨拶ができなかったこと。
琴子にとっては二人きりの新しい生活になじむことが第一だったが、時折父親のことが気がかりだったことも事実だ。
けれど、忙しそうな直樹には何も言えないと思い込んでいた。
だからこそ、直樹の真剣な態度が琴子は嬉しかった。

「ちゃんと言っておかないとな、大事な娘さんを貰ったんだから」

耳元で囁くと、琴子はくるりと体を反転させた。
色素は薄いが手触りの良い髪が、直樹の肌をさらりと撫でた。

「えへへ…ありがとう」

直樹のほうを向くと、今度はしっかりとその目を見つめ返して琴子は言った。

「もう何もかも手に入れてしまったから、事後承諾になってしまったけど」

琴子の背に手を回し、ぎゅっと抱きしめながら直樹は囁いた。
真っ赤になる琴子の顔を想像しながら、その腕を腰に巻きつけ表情を伺い見る。
想像通り、琴子は耳元まで顔を真っ赤にさせていた。

「…もう!入江くんはどうして素敵なせりふの後に茶化すようなことを…!」

「事実だろ?」

にやりと自分を覗き込むその目を見つめ返すことはさすがにできず、琴子は再び目をそらしたのだった…。




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わさこ

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