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続・みらいのはなし 2
二人の子ども、琴美ちゃんが生まれてからのお話です。
ちょっとシリアス傾向にありますので、苦手な方はスルーしてくださいませ…。






体力と根性が一番の長所だと自他共に認める琴子が、体調不良を訴えたのは数週間以上も前のことだ。
看護師として働くほか、主婦業や母親業も全力投球だった琴子。
体調不良を訴えた次の日、勤務中に倒れてそのまま即入院となった。

「本当に、ごめんね」

もう幾度繰り返したかわからない台詞を琴子は直樹につぶやいた。

「いいや、具合は?」

「大丈夫、昨日は良く眠れたし…みーちゃんも来てくれたし」

うふふ、と声を出して笑うのは琴美を安心させたいという母親心もあるのだろうと、直樹は思った。
その琴美は未だふくれっつらのまま、直樹を睨んでいる。
琴子が休んでいるベッドの端に腰を掛け、足をぶらぶらさせていた。

「三人でランドセル、選ぼうか」

直樹が声を掛けても、琴美は返事をしなかった。

「ほら!琴美!パパとおばあちゃんがランドセルの写真を撮ってきてくれたよ」

琴子がはしゃいだ声を出すと、琴美はようやく笑顔になった。
直樹は琴美を抱き上げると、ベッドの端から下ろす。
ベッド脇のコントローラーを使って琴子が上半身を起こすと、直樹は琴美を抱っこしたまま、その脇に腰を下ろした。

「狭いな」

「せまーい!!」

病室のベッドは、狭くて冷たい鉄のにおいがする。
3人で眠る寝室のベッドが恋しくなって、琴美は直樹にぎゅっとしがみついた。

「甘えんぼさん?ランドセルの写真、ご覧になりますか?」

ふざけた調子で自分に問いかける父親の様子に琴美は嬉しくなって、その小さな手により一層力をこめる。
触れたままの父親の大きな温かい手が、頬を撫でてくれた。

「よろしくってよ」

その言い回しに、両親が噴出したことも琴美は嬉しかった。
先ほどまでのもやもやとした気持ちは、どこかに行ってしまった。

*****

病室で散々はしゃいだ後、疲れたのか琴美は琴子の腕の中でうとうとし始めた。
直樹譲りの大人びた性格とはいえ、まだまだ甘えたい盛り。
腕の中の琴美を直樹が抱き上げようとすると、琴子はもう少し、とつぶやいた。

「しんどくないか」

「あったかくて気持ち良いの、みーちゃん」

「そうだな」

直樹が同意すると、琴子はその顔を恨めし気に見上げた。

「入江くんはいつも抱っこできるかもしれないけど、あたしはこうでもないと抱っこできないんだもん」

いつも幼稚園の帰りにひょっこりと顔を出す琴美。
その日あったことを嬉々として話した後は、紀子と手をつないで帰ることが多い。
琴子はもう何日も琴美の寝顔を見ていなかった。

「退院したらいつでも抱っこできるじゃないか」

「そうなんだけど…、ますます入江くんをみーちゃんにとられそうで…」

そう言うと琴子はため息をついた。

「あまり父親にべたべたしないように、母の温もりをこすり付けておこうかと…」

「犬の縄張り争いでもあるまいし」

直樹のそんな突っ込みに、琴子はごまかすように笑った。

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Author:わさこ
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