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2018/05
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5.真夜中のベランダ
暗い話が続いたので、ちょっと明るいの。
入江家の間取りは、どうなっているんだろう。
都合よく捕らえてしまってこんなのが出来上がりました。

お題ですよー。




長い長い一日だった、と琴子は思った。
申し送り前に師長から着き返された看護計画の練り直しに始まり、検査の付き添いでトラブル。
時間を過ぎてからの患者の外出を見つけ、止めた。
今日からかゆ食が始まるはずの患者へ食事が届かず(これは琴子のミスではない)。
とにかく散々な一日だった。
新人のとき以来だ、こんなに疲れたのは。
疲れた体を引きずるようにしながら、琴子はゆっくりと夜道を歩いていく。
閑静な高級住宅地にある入江家。
夜は静まり返り、静かな空気が辺りを包んでいた。

「よお」

頭上から聴きなれた声が聞こえて、琴子は顔を上げた。
しかし正面に彼はいない。

「こっちだよ」

言われるまま声がしたほうへ顔を向けると、ベランダに彼が立っていた。
お風呂上りなのだろうか、室内着に上からカーデガンを羽織っている。
琴子が気づいたと知るや、彼は琴子のほうに向けて小さく手を上げた。

「お帰り」

「ただい…!!」

大声を上げそうになってしまい、琴子はあわてて自らの両手で口を押さえた。
口を大きく動かして、声を出さずに”ただいま”と告げると直樹の口の端がわずかに上がった。
琴子はそんな直樹に向かって大きく手を振って見せる。
彼の口は大きく”ばーか”と動いた。
けれどその顔は優しく穏やかだ。

「早く上がって来い」

小声でささやくように振ってきた言葉に、琴子は大きくうなづいた。
先ほどまでの引きずるようにしていた足が、自然と軽くなって家の入り口へと進む。
直樹の存在は大きい、と琴子は思う。
ベランダに立っている直樹の顔を見ただけで、先ほどまで疲れは吹き飛んでしまった。
門扉を静かに開けると同時に、ベランダにつながる扉がからからと閉まる音がした。
彼はきっと、長い間ベランダに立って待っていいてくれたに違いない。
寒空の下、体が冷えてしまうことも厭わずに。
そんな優しさも、琴子が大好きな直樹の一面だ。
早く直樹のひんやりした腕の中に飛び込み、お互いのぬくもりで温め合いたい。
琴子はニヤニヤしながら、自分たちの部屋につながる階段を上っていく。
先ほどまでの、重苦しい体と心はどこかへ吹き飛んでしまった。



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はじめまして!(Kさま)
コメントありがとうございました!
イタキスの世界にようこそ♪
私は高校生のときに嵌って早10年余り(年がばれる)、イタキスの世界は嵌ってしまうとなかなか抜け出すことができません。
甘い話がお好きなんですね。
私自身は書いていて甘いのか辛いのか、はたまたすっぱいのか苦いのか。
よくわかりません(だって読む方の自由ですしね)
ですので喜んでいただけて、こちらもとっても嬉しいです。
こちらこそ、こんな細々ブログですがよろしくお願いします。
また是非遊びにいらしてくださいね!
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Nさま
はじめまして、こんばんは!
私もT大受験の夜のあのシーン、大好きです。
ちょっとずつ二人の距離が近づいていくような気がして…、ほほえましくもありドキドキもしますよね。
お題、楽しいですよね。
自分では思いつかないようなタイトルから、妄想のヒントをもらったり。
そこから世界が広がっていったりしますよね。
コメントありがとうございました、また遊びにいらしてくださいね。
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わさこ

Author:わさこ
はじめまして!こんにちは!
こちらはイタズラなkiss中心の 二次創作ブログです。
ごゆっくりどうぞ。

何かある方は、メールアドレス
starlight_wasako☆yahoo.co.jp まで。

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