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2018/05
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6.壁越しの声
お題。
今回は、他人目線に挑戦してみました。
ちょっと初めてな感じなので、どきどきしております。





「親方、こんなもんでいいですか?」

「ああ、上等だ」

出来上がった部屋の最終的な点検を終えて、俺は若い職人と二人で頷きあった。
以前からひいきにしていただいていたこのお宅から、急な改装依頼が入ったのは10日ほど前のこと。
依頼の内容は壁紙の貼りなおしと防音の設備。
壁紙はたった一度の打ち合わせで、防音の設備に至っては施工当日に打ち合わせをするというハイスピード。
金持ちの考えることは良くわからないが、もしかしたらこの部屋で音楽でも始められるのかもしれない。
依頼主である奥さんは、作業中何度も覗きに来た。
我々の仕事がきちんとできているのか、チェックするというよりも仕上がりが楽しみで仕方がないという様子。
そんなに音楽がお好きなのだろうか。
元来口下手な人種が多い我々は、プライベートにはあまり立ち入らない。
工事終了の今日まで、音楽のための部屋だとばかり思っていた。

「丁度良かったわ!」

出来上がったことを奥さんへ報告すると、奥さんは手をたたいて喜んだ。

「今日注文していたベッドが来るのよ!」

ベッド…?
予想外のその言葉に、俺は状況がつかめないでいた。
添い寝したいぐらい、大切な楽器なのだろうか。
頭の中の疑問符をそのままに、俺は奥さんとともにリフォームを終えた部屋へと向かう。

「ロマンチックな壁紙ね!やっぱりこれにして良かったわ」

奥さんは満足げにうなづいた。
やはり我々はこの言葉をもらうと達成感を得ることができる。
気分が良くなった俺は、奥さんに聞いてみることにした。

「防音も完璧ですし、楽器をするには良い部屋ですよ」

あれ?
奥さんの満面の笑みを期待していたのに、俺の目の前にいる奥さんは怪訝な顔をしている。

「違うわよ、ここは息子夫婦の寝室なの」

「…!」

俺は一瞬で理解した。
なぜ明るい花柄の壁紙にしたのかも…、念入りに防音設備を施したのも。
そうか、そのためだったのか。
何も返すことができないまま、隣にいる若い職人へ目をやる。
彼は俺以上に真っ赤な顔をしてうつむいていた。
そうだよな、ものづくりをするのが我々の専門。
俺もまさか少子化に貢献してしまうなんて、思いもしなかった。

「また赤ちゃんができたら、お願いね」

そういって微笑む奥さんの顔は、期待で輝いている。
俺は思った。
このお宅から再び依頼がきたら、それはこの壁紙と防音が生かされた証だと。


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Nさま
こんばんは!
ええ!?ツインだったのかーって思いまして、コミックスを見直しました。
本当ですねー。
私の脳内ではダブルになっていました。
重要な情報をありがとうございました。
紀子ママのエネルギーはすごいですよね。
あんなお姑さんがそばにいてくれたら、何も怖いものなし!
ともあれ、コメントありがとうございました。
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わさこ

Author:わさこ
はじめまして!こんにちは!
こちらはイタズラなkiss中心の 二次創作ブログです。
ごゆっくりどうぞ。

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